10年前に100均で買った切れない包丁を、トマトがスパスパ切れるまで研ぎ上げる

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スタッフ三浦です。

僕は家で料理は妻に任せっきり。
何でかっていうと、味オンチというか、味見してると何がベストなのかわからなくなってくるんです。

めっきり料理をしなくなり数年

昔は料理したんですよ、独身でひとり暮らしの頃の話ですけどね。
カレーとね、目玉焼きとね、あとオイスターソースガンガン入れた野菜炒め。
うん。
思い返してみると、これしか作ったことないです。
野菜炒めなんかはどこまで火を通したらいいのかよくわからないので、どうしようもういいかなーと眺めているうちに、もやしの量が3分の1くらいになって汁まみれだったりして、シャキシャキ感ゼロ。
それでも自分で作ったので、うまいうまいと食べていた気がします。

今じゃもうコンロ触りません。
鍋がどこにしまってあるかもよくわかりません。
いつも作ってもらってばかりで申し訳ないので、たまには何か料理しようかって、する気もないのに形式上言ってみたりもするんですが、「おいしく食べたいから子供と遊んでてよ」と、にべもない。
という感じで、だいたいいつも僕は片付け要員という地位に甘んじているわけです。

でも魚を切るのだけ得意

ところがですね、こんな僕にも皿洗い以外にキッチンで活躍するシーンがあるんです。
僕は今のネットショップの仕事をする前に、5年くらい魚屋で働いていた経験があり、三枚おろしとか五枚おろしとか、刺身を切ったりだとか、そういうのは得意なんです。
火を使わないやつですね。
味付けも関係ないやつです。
なので、すぐ食べられるようになっている刺身パックをスーパーで買うよりも、アジとかイカとか丸ごとの魚を買ってきて自分でおろした方が量も多くてちょっとおトク。
生ゴミが出るのと作業時間がちょっとかかるのが難点ですが、趣味で楽しくやってるのでこれはこれでアリかなと。

それで、魚屋さんって言うといちばん大事な仕事道具は・・・そう、包丁です。
働いていた当時は、でかくて重い、鋼の出刃包丁を使っていました。
毎日ひたすら魚を切っているわけですから、大切な仕事道具もちゃんと手入れする必要があります。
きれいに洗うのはもちろんですが、大事なのは「研ぐ」という作業。
翌日の朝イチから切れ味の良い包丁で、気持ちよく仕事を始められるように、いつも夜の片付けの時間に研いでいました。

切れる包丁を維持する

とまぁそんなスキルもあったりして、自宅にある3本のステンレス包丁を研ぐのも僕の役割になりました。
休みの日にちょっと時間あるなーと思った時、包丁を研いでいます。
研ぐのに使っているのは、けっこう前にホームセンターで買った某有名刃物メーカーの砥石で、中仕上げとしか書いてないもの。
どんだけ脆いんだって思うくらい砥石の方からどんどん削れていってしまって、今ではもうペラペラです。

なので、そろそろ新しい砥石が欲しいなと思っていたら、思いつきました。
店で仕入れた砥石で包丁を研いでる動画撮れば、商品紹介になるし、使った砥石は買い取って自宅で使えばいいじゃないの。
あら一石二鳥、ビッグアイデア。
ちょうど事務所にとっても切れない包丁があったので、今回仕入れた砥石で、それを研いでみました。
確かずっと前に100均で買ったステンレス包丁で、事務所の流しに置きっぱなしになっているやつです。
検証用に近くのスーパーでトマトを買ってきて、切れ味がどれだけ変わるか、店長に体感してもらおうという企画の動画です。

【動画】10年前に100均で買った切れない包丁を、トマトがスパスパ切れるまで研ぎ上げる

研ぎながら僕と店長で喋っているのですが、ただおっさんが包丁を研いでいるだけの動画で退屈なので、早送りしてずいぶん飛ばしました(笑)。
一応話した内容を書き起こしつつのキャプチャー添えでお楽しみください。

三浦「切れない包丁って刃の部分を触ってみると、丸いというか、指に引っかかる感じがないんです」

店長「よくわからないですけどそうなんですね」

三浦「砥石はまず最初に水に浸けてしばらく置いてから使います。砥石も包丁も濡れた状態で研ぐんですけど、乾いた砥石はどんどん水を吸っちゃうんです。なので砥石の中が水で満たされるまで浸けておきます」

店長「すごい、高野豆腐みたい」

三浦「こうやって水に浸けると、砥石の中にある空気がどんどん出てきます」

店長「穴だらけだな砥石、穴だらけってことだぞ」

三浦「包丁を研ぐときは、砥石に押し付けるように擦っていくわけですけど、この時に包丁が油で汚れていると指が滑って危ないので、ちゃんと洗剤で洗っておいてください」

店長「それは私が太っているってことですか?脂肪ですか?」

三浦「では研ぐ前に、この包丁がどれだけ切れないか、研いだ本人がやると作為的に見えちゃうと思うので、店長に確かめてもらいます」

店長「切れないと見せかけて切れちゃうパターンでしょ」

三浦「どうですか切れ味は?」

店長「ん、意外と切れる」

三浦「ダメなパターンじゃん」

店長「でも、皮に包丁がなかなか入っていかない感じかも。うん、トマトうまい」

三浦「もう浸け込みいいですかね。上から水をかけても中に染みていかないくらいになりました。これから研いでいくんですけど、直接台の上に置いてやり始めてしまうと、砥石が動いてしまって危ないのと、シンクに傷がついてしまうので、砥石の下に濡れた雑巾を敷いてから始めてください」

店長「へぇー」

三浦「で、一般的な家庭用の包丁はほとんど両刃です。どっち面も同じように研いでください。魚屋さんや板前さんが使う出刃包丁とか柳刃包丁は片刃で、片面だけ傾斜があって、もう片面は平らです」

店長「なんか砥石が汚れてきた、あんたの手が汚いんだろう」

三浦「これは包丁と砥石の削りカス(砥糞)。これは洗い流さずにこのまま研ぎ続けていいです。砥石に水気がなくなってきたら、上からちょっと水を足しつつ研ぐ感じで」

店長「どっちも削れてるのか、相打ちだな!」

三浦「ハガネの包丁の場合は硬いので体重をかけるようにして研ぐんですけど、家庭用のステンレス包丁はそこまでしなくて大丈夫です。指を添えて擦るくらいで大丈夫」

店長「ハガネってのは鉄?元素記号Fe?」

三浦「うーん、まぁ、そうかな・・・?魚屋時代、朝から包丁を使い続けて夕方くらいにはうっすら錆が浮いてきてたね確か。手入れが面倒なので、あんまり家庭では使われない種類の包丁ですね」

後で調べたところ、ハガネは鉄を含む合金だそうです。

店長「これ続けてたら、いずれ石の形が変わってくるよね?」

三浦「そう、砥石も削れてるので、形が変わってきます。狭い範囲で一点集中でやっちゃうと、その部分だけ凹んできちゃうので、なるべく全面を広く使うようにして研いでください」

三浦「砥石は目の粗さごとに種類があって、だいたい数字で書いてあります。粒度っていうんですけど、サンドペーパーで言うことろの番手と同じ。数字は小さいほうが目が粗く削る力が強いです。ホントに切れない時や刃こぼれした包丁を直す時に使います。数字の大きいほうは目が細かくて削る力が弱い。これは仕上げ砥石で、切れ味を追求したい時や鏡面のように美しくしたい時に使います。家庭用のステンレス包丁なら、この中間の中砥石が1個あれば大丈夫。いま使ってる砥石も中砥石で、#1000ってやつです」

店長「砥石もそうだけど、包丁も全体的に研いでいかないと形が変わっちゃうよね?」

三浦「そうなんです。出刃包丁でも切る部分(真ん中よりも先の方)と叩く部分(根元に近い方)があって、全体を研ぐのが面倒なので切る部分だけ研ぐ人がいましたね。包丁をコンコルドにするなよってよく上司から言われてました」

コンコルド

店長「自宅でシャープナー使ってるけどあれどうなの?」

三浦「シャープナーも切れ味出ます。とりあえず今すぐ切れるようにしたいっていう時にはいいですよね。でも砥石で研いだほうが切れ味が長持ちします」

店長「シャープナーだと刃のほんの先端だけ尖るってことね」

三浦「研いでいくと、最後に研いだ面の反対側に、刃の先のところにバリみたいなのが出ます。かえりって言うんですけど、これをならすような感じで、包丁で砥石を撫でるくらいにして取っていきます。これで完了です」

店長「じゃあまたトマトだな」

店長「おお!すごい!」

三浦「どうですか、トマトの皮に一発で包丁が入るようになったでしょ」

店長「うん、トマトおいしい」

ちょっと手間がかかるので面倒に思うかもしれませんが、慣れるとそれほど大変な作業じゃないですよ。
研ぐのが楽しくなってきます。
何と言っても研いだ後の最初の一刀がたまらなく気持ちいいです。
これを見てくれたあなたが試してみて、ハマってくれることを願います(笑)。