−前回までのあらすじ−
新たに国王となったディーチ王子の横暴ぶりに
激怒した青年・ダーヤスーンは、
彼を打ち倒すべく仲間を集めようとするも
誰からも相手にしてもらえなかった。
そこに「チラシを配ってみては」と
提案する男・シモマチが現れ…。
−ダーヤスーンの自宅−
ガララッ
母「あれ? あんた王子倒してくるんじゃなかったの?」
ダ「ちょっとワケありでね…。」
自宅に帰ってきたダーヤスーンは、
足早に自室に閉じこもるとPCを起動した。
「勇者もWordを使うご時世だぜ」(独り言)
「自分で作ったWordデータなどを印刷すれば安く済みますよ」
ゲスな笑顔で説明するシモマチを前に、
ダーヤスーンは考え込んでいた。
…確かに…
…まだ銅の剣すら買えないし…
…めんどくさいけど、一回自分で作ってみるか…
過去に作ったことは無いものの、
背に腹はかえられず。
とりあえず自分で作ってみることにした。
仲間募集…だけじゃもったいないな…
そうだ、彼女募集も入れておこう…
若くてかわいい女子たちが
「勇者さまー!」って
いっぱい押し寄せてきちゃうなゲヘヘヘヘ
妄想に膨らむ彼の三本目の足は元気になっていた。
そんな現状のMPすべてを使って作った渾身の一作を手に、
彼は日生企画へ駆け込んだ。
やがてチラシも刷り上がり、街中で配り続けること数ヶ月。
結局、彼に仲間は増えなかった。
無論、彼女も出来なかった。
彼は泣いていた。
どうして誰も相手にしてくれないんだ…。
やがて涙に濡れた地面がメガネをかけた男の顔の形になり、
その顔が言った。
「隣国のグンマーも救っ」
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
−続く−
かもしれない
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